厭なことがあるんだ・・・。
厭なことがあるんだ―――。
僕も心の蓋を取り去って、好き勝手に喋ろうか、
遠慮会釈なしに誹謗中傷罵詈雑言を―――と、
こみあげてくる黒い洪水、物凄い響きだ・・・・・・。
その、感情的圧力の正体。
反感や復讐心から生じる思想は自分も社会も不幸にする、
と知りながら・。
―――掻き消されゆく良心の声。
君は...君は...蝕まれてゆく、、
(睡眠不足の少し充血した眼を見張って、)
「林檎のようだ」と言う・・。
認識と操作、病んだゼロサム思考、
あたかも決定権があるかのように見せかけながら、
「人は六〇歳前後で人生の意味が、
わかったような気持ちになれるらしい」
その―――滑り下って来た野獣の前脚のような、
白い牙を剥き出しにした氷河の先端のリアル・・。
堕 ち た る 者 の 世 界 ・ ・。
「「「何が僕等を変えてしまったんだろう?
「出世頭の部長職と自分でボーナスが三〇〇万も違う」
羅針盤がさししめす蘚苔類、磨滅した鋪石。
地下から湧いて出た沼、力比べ、団栗の背比べ。
「管理職の国内出張は新幹線のグリーン車、
こっちは普通車、狭い座席」
もう―――駄目だと思った・・。
貧乏って何だろう・・・
(スラムはない、貧乏はいるけど救済措置もある、
それにすべて救うなんて土台無理・・・)
お金って何なんだろう―――。
―――人を傷つける言葉は実際にビンタされた時と、
同じダメージを脳に与え、長くとどまる。
>個人の多様な価値観・個性・プライバシーを尊重し、
>人種・宗教・性別・国籍・心身障がい・年齢・性的指向
「セクシャルハラスメント」
「パワーハラスメント」
―――暴力って感染症みたいだと思わないか、
いつか生物である時に受けたウィルスみたいだって・・。
ノウテンノウチガワデバクハツシソウナンダ...
「核スウィッチを押す方が早くない?
「人間の本質は暴力、脳はそこまで進化していない。
・・・・・・君だって知っているだろう?
否定的な言葉はストレスや不安を誘発させる、
―――ネガティブバイアス・・・。
『目的』というものは、
短期的なもの、中期的なもの、長期的なもの、
というような形で区別することができる。
目前の『目的』の向こうに最終的な『目的』がある。
(その暗黒の前頭葉の作用がわかるかい?)
利用された集団心理、単純な馬鹿な反応、
ルサンチマン、過度の一般化、井の中の蛙、大衆。
(経済的従属者の理性の連鎖みたいに、)
さながらマッドマックスの暴走集団、
すべての人が加害者になる・・。
フランス革命の恐怖政治、ホロコースト、
(繊細な感受性? 操り人形は思考を搭載した機械だ)
セイラム魔女裁判、株式市場の暴落・・。
―――砕けやすい氷の成分・・。
暴力は定住生活や家父長制イデオロギー、
致命的なテクノロジーが生み出したものであり、
(生存競争、適者生存―――)
人間は元来温和な『高貴な野蛮人』であった、とする説もある。
平和、愛、自由・・・・・・。
「南極ペンギンの子供のような警戒心ゼロではいられない」
(芸能人の悪口、政治家の失言・・・
「ハイエナはライオンに獲物を横取りされるし、
野生のイルカは人間を攻撃するし、弱い者いじめをする・・」
―――戦争なんだよ。
・・・・・・ああ、ルサンチマン、
生贄を捧げるIQ三〇社会、
―――本当の敵の名前は、この都市か、
スーツにアタッシュケース、名刺が武器、
―――眼は何処を見る、耳は何を聞く、鼻は何を嗅ぐ、
パソコンで残業、デスマーチの開始・・。
厭なことがあるんだ・・・。
厭なことがあるんだ―――。
宇宙へ飛び出す日でも、世界が終わる日でも、
やっぱりこんな腐れた血の滾りを感じるんだろう、
―――黄昏を探し求め、月に戦慄する、
迷路、森、硝子をうつしだした泡が、
生まれて割れていく・・・・・・。