●時間というものは不思議だ、人それぞれの感覚で流れる。
けれども時間というものが必ずしも、
時計回りするものだとは限らない。
時間はこの世界のたんなるルールの一つに過ぎない。
一般論としての語りであるという説
近頃またSNSで、
本物のタイムトラベラーが出てきたらしいけど、
外国の人はみんなノリがよいから、騙し甲斐があるだろう。
ジョン・バーカーだったかな、
色々調べたけどあそこが真っ黒で、
僕の肺が真っ黒だってことはわかった。
―――まるで、パンフレットや、パネル・・。
子供の時、サンジェルマン伯爵を超能力の本で読んだけど、
それから―――僕はスピリチュアル詐欺師列伝についての知識を深くして、
まあ、悪いけど僕はまったく否定してる、
そうそう、フィラデルフィア実験の真相みたいに、
本屋に行けば、ノウハウ教えます、いま流行の肝やら、
わたしの予言、あのアイドルのあの政治家の、やらの、
わらの、ワロスの、わらわらの、草の、詐欺師トークもすごいね。
人類を根絶やしにしたいとしか思えない非生産的な無駄な本。
感動した。
馬鹿と煙に鋏をつけるものだけど本を切るためにあったんだね。
過去と未来をハンバーガーするところの第三次世界大戦を、
語っているらしいけど、もう本屋が第三次世界大戦だよ。
ただ―――異次元へと行く話については、肯定的だ。
・・・・・・でもどうか紛争の平和的解決を。
●見るからに素敵な山の写真。空気も水も綺麗、
そして絶好の神隠し日和。
考えているという説
山の話だけど、ある日、山奥で猟師が石像を見つける。
こんなところに石像なんてあったか、
その石の台座にどうにも読めない文字も書かれている。
その背後に、こんな道あっただろうか、
細い道がすうっと、いざなうように続いている。
ちなみに道には幾種類かある。
人が手入れした道、手入れされてはいないけど通れる道、
獣が通りそうな道といった具合にだ。
ちなみに、これは人が手入れしているような、
あるいは誰かが通っているような道だった。
でも、山に入っている人だからわかる感覚なのだけれど、
それはありそうでまったくない種類の道。
「「「春風、秋風、野分、しぐれ・・・・・・。
ポエム風にいうなら風の通り道、
神話風にいうなら神様の通る道。
てくてく歩くと、開けた場所に出て、きれいな川がある。
そしてその川の中州には肉がついた骨で、
家のようなものが作られている。
インディアンの家とか、人喰い部族みたいな具合にね。
様々な想いが、雑多な言葉が脳裏によぎった末、
ここは人の来ていいところではないとすぐ帰ったらしいけど、
まあこんな話いくらでもある。
●見るからに素敵な都会のマンション。
事故物件と、頬に傷のある事務所も常駐設備、
呪われたバベルの塔みたいな迫力が素敵。
たんに生の幻ではないかもしれないという説
さて、マンションの話をしよう。
彼は、ある日、マンションで目覚めると、
部屋に誰かがドアを開けて入ってくる物音に気付いた。
でも金縛りにかかったみたいに動けない、
けれども明晰夢とも違う、何故かそう思ったそうだ。
鍵はちゃんとかかっている。
数人が、がやがやがやがや、やって来る。
―――いわずもがな、侵入された、這入られた。
でも不法侵入かというとそうではない、
だって、透明人間である。
透明人間法案はまだ国会で提出されていない。
ゴーストバスターズの歌を流すしかない。
―――陽気だ。
見えないんだけど、確かに人がいる気配がするし、
話し声も聞こえる。
でも、それはどうも幽霊のようだとは思われない。
感覚の問題とかではなくて、
その場にいたら本当にそう思うような、危害を加えてくる相手、
恐怖を覚える相手やシチュエーションではなかった、と。
毒を持っていない蛇でも凶暴なのがいるけれど、
毒蛇でも温和な性格なのがいる。
ジャストミート、そんな感じ。
たんに見えない人間が、
何かをしにやって来たようだった、と。
十数分ほどたむろして、出て入って、金縛りが解けた。
鍵はちゃんと掛かっていた。
―――重要な諸原則を見出そうとする、
実はその人、高圧線のある場所の上の部屋だった。
雷を直撃して予知能力を持って、
嵐を予見できるといった人は知ってる?
電気って、僕等の身体に流れてるわけだけど、
それが別の回路を開くかも知れないという可能性は、
科学者だって否定できないわけだ。
また、電車に乗っていて異世界の見知らぬ駅を見たという話とも符合する。
―――電気と夢見心地・・。
あなたは『ローマの幽霊』や『バビロニアの幽霊』を、
信じるだろう―――か。
否、僕は信じない、それは“サイコメトリー”ではないか、と思う。
>浮かび上がってくる。
>あるのではなく、それを引き寄せる・・。
でも信じる必要はない、ああこんな話あるんだって思えばいい。
だってさ、こんな話本当にいくらでもある。
さてこれは神社の話。
神社の本殿の下に猫がいるので、女の子が入って行った。
大人になると入れないよね、
蛇とか、暗いとか、気持ち悪い、とかね。
僕は中学生ぐらいに高いところから飛び降りるのに、
躊躇するようになった、
だから―――小学生ぐらいまでがその境界だと思う。
ずんずん進んで行った。
そうしたら反対側まで行ってしまって抜けたら、
(きっと“位置関係”はとか、
“距離”はと言いたい人もいるだろうけど、)
もう何かおかしいとは思うんだけど、だって、
本殿の下だから木でしょ、でもその質感がなく、
鍾乳洞を抜けたみたいな感じになっていた。
―――明るく射しこむ光。
そして出てみると、神社の場所とは全然違う場所だった。
―――トンネルには懐胎めぐりとか、
時間を停止させてしまう映画のような効果があると思う。
率直に言うと―――麻痺・・・。
畑が見えた。
ふっと気付くと、ポケットに入れていた、おはじきがない。
ここは何処なのかとおろおろしていると大人たちがやって来て、
どうしたの、見ない顔だねって話しかけてくる。
なんだか怖くなったので神社の下に続いているはずの、
鍾乳洞のところへ戻った。
少しずつ、時を求める。
―――プラトンの比喩でなく、
これは「冷蔵庫」ではなく、
『冷凍庫』であったから・・・・・・。
戻っていくと、
やっぱりそこは神社だった。
おかしいなあと思いながら境内を歩いていると、
さっきの猫が何かを蹴るみたいにして遊んでいる。
それが、彼女のおはじきだ。
でも全然変じゃない、だってこんな話いくらでもある。