koichang’s blog

詩のノーベル賞を目指す、本を出さない、自由な詩人。

よくあるやさしい、心あたたまるような、マンションの話



​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​とあるマンションに行ってきた、
と、始めるのは正しいのだろうか・・・・・・。

​プジュン...​

ブザーが何かの烙印のように見えている
部屋と廊下の網状組織が交錯し、汚れた壁が見えている
階段を昇ってきた

、、
すっ、ばす

―――インターフォン​押​す。
―――インターフォンす。​

  *

がちゃり、の瞬間が中々訪れない。
開閉音。
人がいるんだか、いないんだか、わからない。


木製架台の―――。
木製架台の―――

・・・・・・呟き声や咳払い、


がたんごとん、
普段まったく使わない地下鉄を利用した、
先程まであれほど人がいたのに、
腹の奥が冷たくなるようなプラットフォーム、
電燈が薄暗い通路、
人の気配がしない改札、
地下鉄の出口から、みすぼらしい住宅街が広がった。
ゴーストタウンのように、やはり人の気配がしない。
踏切を渡った、
―――​踏切を渡​った・・。






​​​​​卵けられ、そのに、でっぷりとった、​​​​​
​​​​とんでもないきさに成長するという蛆虫がいる、​​​​
​​​​アメーバー幽体離脱したような欲望っているわけではない、​​​​
​​​​​ただ、アメーバー鳥肌立つような原型質かを​ってる、​​​​​​
​​​とてもとても時間をかけて、​​​
​​​​​全身痙攣させ、それをているぽかんとした尻目に、​​​​​
​​​​​胸くなるほどらしい進化める​​​​​


  *

記憶がない》―――ことに気付いたのは、
いつだったろう・・・。

マジックハンドや拾い棒、
ICカード、切符の券売機の音。
吊革の感触。

そもそも、]とう。
(そ、)

―――俺は何故、
このマンションにいるのだろう・・・。




​​​




  *

何故不思議わなかった。
馬尾神経ガソリンスタンド、
ドラッグストア十二指腸、
内臓文具店、干物屋横隔膜、
クリーニング屋上腕大動脈、酒屋心筋、
布団屋恥骨結合など沢山の店があった。

―――個性的な名前、
追加用の綿、布団を縫うロウ引き糸や、
布団とじ色、職業用ミシン。

・・・・・・それがどう

けれども、どの店も電燈が消えていた。
シャッターが閉まっていたのではない、
どの店も電燈が消えて、
営業をしているのか、
していないのかわからない状態だった。

  *

ぼそっ、と言った。
自分が?
誰かが?
わからない、わからない。
ワカラナイ、ワカラナイ。

、、、、、、、、、
感光力って言うんだ。


  *

むかで
蜈蚣のことを考えた、
巨大な生物の生息する、重い流動体、
琥珀色の中毒性を持った液体のイメージ・・。


、、、、、、、、、、
真っ暗闇のマンションにいる。

心の隙間が見えそうな暗闇
石壁に息を吹き込んでいるような暗闇・・。



​​​​​​​​

​プジュン...
​​​​​​​​
ブザーが何かの烙印のように見えている
*押すたびに、何故か猫の鳴き声がする、
部屋と廊下の網状組織が交錯し、汚れた壁が見えている
*鴉の羽根? 鴉の羽根?
階段を昇ってきた
*隅には虫の死骸がある

―――インターフォンす。​
―――インターフォンす。​

  *

パティオ
中庭。
―――その言葉か、させる。
―――契約書のようなもの。
―――って拇印とした。

、、、、、、



  *

ドアが、何故になった。
一点つめるみたいに、かの象徴的なものみたいに、
そこにはめこまれている広角レンズ
んで、景色が、からくりのようにえてくる。

移動している
電燈かがかぶ
りない説明しい

―――緊張の時間が続く、
処方箋をカウンターに置くような音が聞こえる、
松葉杖を転かしたようなかすな音が聞こえる、


―――こえないのは、
自分呼吸、自分心臓
自分記憶、自分言葉だ・・・。


​​ギイーッ...​
​​​​​​​​​​​​​​​
何かが開くのを感じる、光が射しこむ、埃が動く、
しかしそれは潜伏する死が迫るのを感じ、
眠りの前に訪れる小さなばらばらに砕けたイメージが、
心の中でさらに蟠っているようなものだ。




ドアの上部から、エクトプラズムのような緑色のシロップ、
―――のようなものれてくる、
直下​
浸透拡充・・・、
腐ったチーズの、かんばしい、胸のむかつく、気を失いそうな、
―――のようなものれてくる。


​​夜はまだまだ終わらない、​
謎はそう簡単には尽きてくれない、​​​​​​​​


ねえ、君も知ってるだろう?​




​​​ガチャン...ガチャン...カツーン...​​​









​​