「ヘイ、そこのお兄さん、
あちきと一緒に静岡茶でもシバきにいきませんか?
そしてかもめでも見に行って、
線香花火を手土産にあちきとあんたのシャングリラ、
でも大丈夫、亡霊もあんたの恋の焔で焼き払う(?)」
、、、、、、、、、、、、
何言ってくれちゃってんの(?)
校門前で一歳年下の、まぜガキが、変なことを言う(?)
財布を拾って届けてから、校門前でストーカーされてる(?)
萌えPOINTをここまで上手に外すテクニークは、彼女のスゴ技。
むしろ、一周廻って、個性萌えになるかも知れない。
・・・・・・いや。
・・・・・・いや。
―――ならないな(?)
コンビニで売っていた爽快ミントミルクティーは美味しかったけど、
桃のルイボスティーは何か微妙な味がした(?)
、、、、、、、、、
そういうことだった(?)
でも別にこれといって変なこともしないので、
とりあえず様子を見ている。
「あちきをマーブル模様にしちまったのは、
あんたでありんす(?)」
「あんたの言っていた青い鳥は、
ここにいる青い魚のあちきでありんす(?)」
顔を見ると、チュッ、と投げキッスしてくる(?)
可愛い顔をしていたら何でもありだなということを、
僕はその時思うのだった。
僕が言ってみろ、犬に追い回されるぞ(?)
ポエマーは痛い、ポエムは黒歴史というけれど、
個性として根付いた場合はどうなるのだろう(?)
この前はクラシックギターを鳴らしながら、
(しかも、何故か上手くてちょっとツボだった、)
―――あちき調(?)
でもポエムで本当に口説けるのかっていったら、
それは絶対に無理だろう。
でも、彼女はどういうつもりかはわからないけど、
正々堂々そんな風に僕を口説こうとする。
、、、、、、
本邦初の快挙(?)
「あちきの紙飛行機はいつも緊急着陸、
一方通行、気付けば片羽根もがれた蝶でありんす(?)」
「あちきの独占欲はこの黄昏時の僅かな間、
あちきの繊細なハートはもう張り裂けそうでありんす。
風船のように一突きされるだけで、
駄目になってしまいそうでありんす(?)」
嘘だと思う(?)
だって、毎日こんなことをしているものだから、
いつのまにか、彼女のファンクラブが出来ている(?)
会員みんな、女でゆうに百人を超える、
(暇人なんだな、うちの学校の女って、)
時々僕は詰め寄られて、
お前一度ぐらいデートしてやれよとキレられる(?)
彼女は見た目可愛いし、
ポエムのセンスもいいし、レトリックを交えるし、
あちきとか、あんた、という古風な言い方がいいと評判(?)
その筋では、吟遊詩人ちゃんと呼ばれている(?)
でも人がいても顔色変えずに、
相変わらずこんな調子だから心臓は剛毛である(?)
「・・・・・・じゃあ、ファミレスでも行く?」
実を言うと、そういうことに決めていた。
さすがに音を上げるだろうと思っていたけど、
ものすごい根性で、
なんだかんだ一か月もこんなことをしている(?)
彼女のファンクラブから、彼女のポエムを読ませられるのも、
なんか違うなっていう気がしていたし(?)
でもそうしたら、急に俯いて―――俯きになられて・・。
「あちきの空耳でありんす、
あちきの願望がついにあちきの幻聴を生み出したのでありんす。
あちきの恋の幻はそれでいて美しく、あちきのエマージェンシー、
この周期の不規則な躊躇いの末にあちきを嘆きへと導くでありんす」
、、、、、 、、、
面倒臭いな、この女(?)
でもするとファンクラブの面々が、
彼、デートに誘ってるわよと誇大解釈する(?)
すると、まったく顔赤くなっていないのに、
頬を両手でおさえられ(?)
「あちき、恥ずかしいでありんす(?)」
、、
黙れ(?)
さっきまで、もっと恥ずかしいことをしていただろうというのに、
この女、どういう思考回路をしているのかわからない(?)
しかし、スッと、立ちあがられ、僕の傍まですたすた来る。
やっぱり無表情だが、どことなく、ほんのり頬が赤い気もする。
「あちきの神経の紐が切れそうでありんす、
けれどあちきは恋の舞台へ行くでありんす。
足が浮足立って千鳥の足跡のように頼りなく、
それでいて酔客のようにふらついているでありんす(?)」
、、、、、、、、、、、、、
それだけ言えりゃあ十分だよ(?)