洋館
「音を立てるな・・・・・・」
、、、
喋るな。
―――後ろに何者かが迫る、
扉は閉まっている、
ここは瀟洒な洋館、
廃墟という言い方もできる。
ビミョウなキカイリキガクのソウチ。
不法侵入した。
凍 っ て ゆ く・・・・・・・
―――忘れられた時間―――
“人が消える”
>都市伝説?
>うん、行った人が、
帰って来ないらしい。
>じゃあ、警察呼んでやれよ。
>でも本当なんだって。
>わかったよ。
―――山奥にあった、寂寥は底知れない海、
森を抜けてぽっかり顔を出していた、
縹渺たる雲。
ハイカラという感じがする建物。
満月が照っていた、
そのせいか、煉獄の眠る螢のようにも見えた。
(間近に見たのだ、)
エピックなエンキンホウ。
夢遊病にかかっているような足取り、
亡霊が徘徊している。
癇高いい響きの金属弦が張り渡されているような、
そしてそれを見るような半ば閉じた眼。
(鉄骨構造物の先端の、
針金細工、)
***悪夢の始まり
ドアを開けて入った。
夢のように輝きを映した、
次の瞬間、扉がけたたましく閉まった。
・・・・・・断末魔の悲鳴が上がった。
次の瞬間、数人はそれぞれ逃げた。
ズルズルトヒキズラレテイク...
(とも知れず、かも知れぬ、
―――空間・・・)
パニック
恐慌。
―――冷静な状況判断ができない、
、、、、 、、、、
どんどん、どんどん。
逃げ場所を失い、
用意された殺戮ゲームの俎上。
底意地の悪い咽喉を鳴らす。
シルエット
まるで影絵が動き回るよう・・・・・・。
サファイア
生ける青玉。
センチメンタルなカイキセン、
テンモンガクのフンイキに、カミのタメイキ。
また断末魔の悲鳴が上がった。
また断末魔の悲鳴が上がった。
窓から出ようとしたが、
人智を超えた力なのだろうか、
(そういう造りとは考えられない、)
まったく開こうとしな―――い。
そして―――。
「・・・・・・お前」
血塗られた男は、彼の友達だった。
“掟”だった。
にこにこ笑っていた。
常軌を逸している、狂っているのはわかった。
「どうしてこんなことを―――」
友達は言う。
、、、、、、
「警察を呼べよ」
包丁で刺された瞬間―――。
部屋に懐中電灯が入ってきた。
ぷにゅっ、と包丁のようなものは胸でへしゃげた。
友達と眼が合う、ぷっ、と笑った。
「ハーイドッキリーです」
「うそだようそだよ、まじごめんね、
だまされちゃったね」
「どうしてこんなことを、
イタダキマスウィーター、
ゴチソーサマデスウィーター(?)」
・・・・・・友達と縁を切ろうと思ったその日(?)