嫌いな人に言わせれば、
食卓に並ぶ白蟻みたいな、
ゴキブリの卵みたいなラッキョウ。
セロリぐらい嫌いという人もいる。
野菜食べられるけど、ピーマン?
食べれる食べれる、
でも、セロリ駄目なんだよね、
みたいなね。
好き嫌いは当たり前なので、
あんまり目くじら立てず。
嫌いなものを食べさせたら嫌がらせだからね、
世の中おかしな人もいるから、
「吐き出すな、呑み込め」「齧れ」
とか言ってると、強要罪というケースになるかも知れない。
民事不介入としても、
こういうのが発展して離婚という話になるかも知れない。
それは誰がどう考えても下らないと思うだろうし、
あたかも食の不一致はナントカというのもわかるけど、
一人で外で食べるとか、食卓に並べないとか、
そういう方法もきっとある。
世の中には偏食家というのは存在するし、
アレルギーで本当に食べられない人もいるし、
ましてや自分と他人を同一の生き物だと思っているなんて、
よもやまさか、エヴァンゲリオン思想なのか?
でも大好きな人にとっては、
やはりカレーライスのつけあわせとして、
カリリするラッキョウ。
福神漬けもいいんだけれど、
やっぱりこのラッキョウが恋しい。
小皿に山盛りとかね、シャキシャキの歯触りでね、
かつての洋食店では、
この組み合わせがスタンダードだった。
けしてサブメニューだったわけじゃない。
わけもなくラッキーマンが思い浮かび、
変身用のラッキョウを思い浮かべた人もいるだろう。
いつも思っていた、それは無茶な語呂合わせだな、と。
それは原始人アニメ、はじめ人間ギャートルズから、
カシワなるものを想像するようなものだ。
でもラッキョウというのは、
血を巡らせる効果も高く、冷えや寒けを取り除く働きもある。
さらに血ばかりか気を巡らせる作用もあり、
ストレス解消にも効果的。
胃もたれ、腹部膨満感、吐き気の改善にも役立つ。
また食物繊維の王様という顔もあって、便秘予防になる。
焼くと抗酸化作用が二十倍になるとか。
ただ、ラッキョウに含まれる硫化アリルは、
適度な量であれば消化を促すといわれているけど、
食べすぎると刺激になってしまう。
他の野菜を食べるという意味でも、
一日三、四粒ぐらいがいいのだとか。
ただ、このラッキョウ、
大乗仏教において摂食が避けられることのある、
五葷のひとつで、
肉や生臭い野菜を食べたり酒を飲んだりした者は、
修行の場に相応しくないので立ち入りを禁ずるよ、
というそれ。
ニンニクとかネギ、ニラもこの仲間だった。
ちなみにラッキョウ特有のにおい成分はアリシンで、
強力な抗菌作用が知られている。
ニンニクほどではないけれど、
食べ過ぎたら翌日臭うかも知れない。
リンゴの皮や緑茶に含まれるカテキン、
紅茶やウーロン茶、コーヒーなどに含まれるタンニンを、
一緒に取ることで消臭効果が期待できる。
また、一週間ラッキョウ入れに使っていた、
タッパーや壜にしみこんで臭いを消すのに、
お酢を使うというのもある。
なお、日本食品標準成分表で確認してみると、
生のラッキョウ一〇〇gあたりのカリウムは二三〇mg、
ビタミンCは二三mgだが、
酢漬けのものはカリウムは九mg、
ビタミンCは〇mgと極端に少なくなっているありさま。
ただ、生でなければいけないということはない。
野菜をボイルすると栄養素は抜けるけれど、
そんなに気になるならビタミン剤なりを飲めばいい話。
美味しいとか、自分に合っているは何よりも尊い。
前述したセロリの話があるけれど、
セロリをボイルしてみると存外食べられる発見があった。
調理方法を変えてみるだけでも食べられたりする。
お好み焼きに入っている山芋の如く、
(あるいは、おくらをソースで和えるように、)
ブレンドしてしまう手法というのも存在する。
ただラッキョウが苦手な人に騙し討ちしてはいけない、
軽度の嫌いは、食わず嫌いだが、
どのレベルかを推し量るつもりが見誤って、
喧嘩になったら下らない。
食べられなくても死なないのだ、
それなら一生食べなくてよいという心は持ちたい。
とはいいつつ、Yahooショッピングで、
宮崎県の土付きラッキョウ五キロが、一位に輝いていた。
みんな存外、買っているんだな、と思った。
ラッキョウというのは簡単に漬けられる、
五月から七月の間、土のついたラッキョウが売られる。
大きめのボウルにらっきょうを入れ、
流水にさらしながら洗う。手で軽くもむようにすると、
土と一緒に大まかな皮も取り除かれます。
さらに残った皮を剥く。
そこから先端と根を切り落す。
先端は、ふくらみがちょうど終わるくびれのあたりでカット。
根の部分はほんの少し切り落とすだけでいい。
ここで、再度大きめのボウルに入れて流水で洗う。
こうして、ラッキョウの薄皮が完全に取り除かれる。
ラッキョウの巻きが甘いものは、
この時点で軽く塩もみをするとキュッと締まる。
ザルにあげて、キッチンペーパーで水気を拭き取く。
水分が残っていると、漬けて保存する際、漬け汁が薄まり、
保存時にカビが発生するなど、失敗の原因になる。
ひと手間を惜しまないのは料理と一緒だ。
あとは甘酢漬けなり、塩漬けなりにしてみよう。
ラッキョウってカレー以外のイメージがないけど、
魚のフライにかけるタルタルソースに刻んで入れるとか、
レンコンとラッキョウの料理とか色々ある。
またラッキョウを豚バラで巻くみたいな主役扱いもあった。
僕も別にラッキョウの申し子とかいうわけじゃないので、
創作レシピ感はちょっと半端ない気もするけれど、
色んな食べ方をしてみると違う一面が見えてくるもの。
また、酒の肴としてもこれは中々優秀だ。
浅漬けとか黒酢とかいうのもある、
大人にしかわからない旨みが凝縮されている気もする。
丸いやつよりスマートでキュッとした奴がいいとか言ったりね、
パック見たら、中国産って書いてるかもしれないけどね、
別に奥さんが中国人だからって押しまくっているわけじゃなく、
バッグを見たらメイド・イン・チャイナという記載があって、
超靴が安くて買ったんだ、そしたら一週間で靴壊れたからね。
PUMAじゃないよPMUAだよみたいなね。
箸で食べりゃいいのに何故か爪楊枝で突き刺して食べたがる、
それがラッキョウ道というもの。
なんかよくわからないんだけど、通って感じがする。
人生のさみしさって冷たいものに潜んでいる気がするんだけど、
よく冷えたラッキョウを夜中に食べていると、
不思議な気持ちになるんだ、ちょっと説明できないようなね。