あーちゃんと、ぼったくりバー
「あーちゃん、ぼったくりバーで働こう」(?)
、、 、、、、、、、、
ちょ、お前何言ってんだ。
「違うの違うの、あーちゃん、本当に働くんじゃないんだって、
あたしだって人騙すの嫌いだよ、
あーちゃん騙すのは好きだけど(?)
さっき、かもちゃんが、ぼったくりバーについて調べて、
かもめハウスで実演するからお客として来てって言ってたの。
ちなみに、かもめハウス入らないで待つことと、
あたしとあーちゃんは、男の客になります(?)」
ふうん、と思う。
そういうことならと、とりあえず、かもめハウスへ移動。
、、 、、
ちょ、これ(?)
かもめハウスへ行くと、
『かぶき町式ぼったくりバー』という看板があった(?)
また、付近には、『キャッチ禁止』という看板もあった(?)
砂場にいた、かもちゃんが近寄ってくる。
多分最初から気付いていたけど、ちょっと待っていた。
―――キャッチするから、
だってそれ、UFOキャッチャーだから(?)
「カッコいいお兄さん、こんにちはダロ(?)
飲みに来ましたか? なるほどダロ、
都会の夜の水飲み鳥ってわけダロ、
止まり木を探しにっていうわけダロ(?)
安い店あるんだけど、ちょっと寄っていかないかダロ、
大丈夫大丈夫、かもちゃんその、知り合いダロ、
安くしとくダロ(?)」
既にキャッチあるあるだった(?)
いかがわしいキャッチを個性的に演じる鳥(?)
ただ、かもちゃんが本当にキャッチ(客引き)をしていたら、
大抵の人はみんな信用して、
ついていってしまうかも知れない。
話が上手い人もいるし、優しそうな人もいる、
それと同じようにいかにも信用できそうな人もいる、
―――でも、おそらくキャッチの人というのは、
田舎から出てきたような世間馴れしていない人とか、
社会の裏の顔について知らなそうな人とかを狙うだろう。
ちなみにキャッチの人は、怒鳴られたり、
嫌なことを言われることもあるらしい。
社会の下部構造というべきか、
人を騙そうと思っていないけれど、
仕事だから仕方ないと思ってやっている人もいるだろう。
どうせ誰かがやる、お金のためだ、自分が悪いわけじゃない。
〇・二五秒の真実の顔。
彼女、かもちゃんに喋る。
「その店、可愛い子いるの?
不法滞在者を通報すると最大五万円の報奨金(?)
それはもう福山雅治みたいな言い方になっちゃうけど(?)」
「それはもう、北海道から青森から(?)
難民問題と密入国ビジネス(?)」
沖縄まで、とはならないらしい。
可愛い子の故郷がすごく限定的(?)
「そんじゃ、俺っち、行こうかな、
でも値段、大丈夫なの、
いきなり新入社員の月給持ってかれんじゃないの(?)」
「大丈夫大丈夫、うちは良心的ダロ、
ちょっと高いけど、セット料金で、六〇〇〇円ダロ(?)」
*ちなみにで後でビックリする値段を提示してきます
「いやあ、安いね、キャバクラより安い、
教育水準を高めると下がる出生率だね、
ちなみに下半身を出すと途端に上がる逮捕率だね(?)
ま、安いところならメイドカフェが一番だけどね(?)」
、、、、、、、、
キャラがおかしい(?)
彼女と一羽の猛烈な濃いキャラクターにあてられる(?)
「じゃあ、入って入ってダロ」
ちなみに、ぼったくりバーでありがちな特徴として、
看板が出てないことがある。
店名が表に出ていない、お店のドアにすら何も書いてないこともある。
ビルの一階にある店名一覧には以前のお店の名前がそのままあることも。
また、自分たち以外客がいないということも当然ありうる、
隠れ処的な場所なんだなと思わずに、その時点で、
やっぱり帰るよ、というのも手かも知れない。
ただ、その相手が凶悪だったら、その時点で請求されるかも知れない、
店に入る前に怪しそうだったらこんなところ入れるかよ、はとても大切。
また究極、そういう夜の店へ行くという時は、
スマホや免許証など持たず、取られてもいい現金だけ、
持っていくという手法を推奨する。
ないものはない、それ以上まで巻き上げられるということは有り得ない。
殴るとか、胸倉つかまれるとかだって、まず、ないはずだ。
(ないとは言ってないが、)
ただ、常識的にそんな商売をしている人達ですら、
そんなことをすれば、明確な犯罪になるとわかってる。
「くつろいでくださいダロ」
そう言いながらかもちゃんが、かもめハウスへ案内する。
中に入ると、普通に、当たり前だけど、何の変哲も修飾も、
一切模様替えもされていない、かもめハウスだったが(?)
いずうさちゃんが、炬燵の上にいた。
彼女が、かもちゃんといずうさに言う。
「いっとくけど、うちの相棒、格闘技バキバキで鳴らしてるから、
ぼったくりバーとかだったら三秒で畳んじゃうからね」(?)
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何言ってくれちゃってんぷら(?)
でも、かもちゃんには勝てる見込みすらないし、
いずうさちゃんは尊いので無理だ(?)
「大丈夫大丈夫、セット料金は六千円ダロ」
「それじゃ安心だね」
かもちゃんがぼそっと、言った。
くちばしが、かちんと鳴った(?)
「・・・・・・通常はねダロ(?)」
騙されるとわかっている店に入ったやしきたかじんが、
ビールの中瓶二本を飲んで五万円の請求書をうけて、
十万円を請求せんかいと怒鳴りつけ、十万円を叩きつけて店を出た、
みたいなエピソードを想う(?)
とりあえず、いずうさちゃんが、
ジュースとお菓子を出してくれる。
にこにこしていた(?)
いずうさちゃんは、にこにこ笑わないので、
既に演技が始まっていた(?)
「宝くじ売り場ってね、一枚ごとに販売価格が決まってる、
百円は九パーセント、二百円は八パーセント、
三百円は六パーセント、ジャンボ宝くじは十枚売って百八十円、
―――夢があるよね、一坪でも立地条件がよければ、
一億円も夢じゃないんだよ」
、、、、
わたがし、だった(?)
ちなみに、ぼったくりバーというのは、
店側から事前説明がなかった料金については、
客側に支払いを拒否する権利がある。
もちろん、誰だってセット料金以上のお金を支払いたくない、
話が違うじゃないかって思う。
けれども、テーブルチャージ、延長時間、飲み物、
ひどいところになると、週末価格とか、特別料金、指名料など、
わけのわからないものが発生する。
セット料金に含まれてるんじゃないの、
大体、価格表もないじゃないか、
(あっても、すべて書かれているとは限らない、)
ぼったくりだろってなる、
そうすると、そこに、
店の裏から用心棒みたいな怖いお兄さんが出てくる。
出すもん出さんかい、身ぐるみ剥がして、
ケツの穴から腕突っ込んで奥歯ガタガタいわせたろか(?)
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水戸黄門的紋切型美人局(?)
でも彼等は暴言をするけど、殴らない、はずだ。
だって、殴ったこちらのもの、しめたもの、
警察に駆け込んでおしまいである。
ようは、どうやって金を搾り出すか、という仕事のはずだ。
五分ぐらい、いずうさちゃんと話をする。
いずうさちゃんは、いつになくお喋りで愛想がよく、
頭撫でてもいいような気さえした(?)
抱っこして、頭撫でて、
それからお尻や耳をモフモフしていいなら、
二倍か三倍ぐらい払ってもいいような気がした(?)
とーてんでは、
そーいう、さーびすは、
しておりまてん・・・・・・・(?)
「この前知ったんだけどね、ほら日本人は行列好きでしょ、
でも、実はそれもサクラかも知れないんだ、
“並び屋”って職業かも知れない。
モデル雑誌だって流行最前線みたいに言ってるけど、
本出すまではそれえ全然流行になってない、
でも、こういう言い方もできるよね、夢を売る仕事(?)」
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夢を強調する(?)
一時期の、シマダシンスケかと思いゆ(?)
・・・・・・でもこんな商売のやり方をしても長続きしないし、
(店が営業できなくなったら、また別の店で同じことをするのか?)
誰も幸せにならない。
商売っていうのはリピーターが必要だ。
最低いまはもうそんな時代だ。
キャバクラの営業LINEだってそうだ。
努力をしなくてもやっていける時代ではない。
でも、ぼったくりバー(ぼったくりキャバクラ、飲食店もある、)では、
そのお客が次に来なくなってしまう。
世の中真面目に生きている奴は馬鹿を見るというのは、
ある意味で本当かも知れないけど、
だからといって、本当に下らない。
それなら正規の相場価格で、
有り得ないことや、わけのわからないことを追求した方が楽しい。
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人生に何も残らないことをする人間は悲しい。
そして、いずうさちゃんが、時間だねと言い、
かもめハウスの外へ出ていき、かもちゃんが入ってくる。
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ぼったくりバーの時間だ(?)
「六千円ダロ、安いよねえ」
と、彼女が言う。
「それが違うダロ、六十万円ダロ(?)」
ちょっと待って、かもちゃん、
いくらなんでも高すぎる(?)
彼女が、青ざめたように俯く。
そしてあたしに、手をぶるぶる震えさせながら、
「もう、あーちゃんやっちゃってよ、
こいつら、ぼったくりだよ!(?)」
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うん、最初から知ってる(?)
何でそれなのに、ノリノリで演技してるのか、
むしろ教えて欲しい(?)
「いや、あたし格闘技やってないから、
―――でも、かもちゃん、価格表や料金内訳、
見せてくれる?
そうじゃないと、警察呼ぶけど」
ちなみにぼったくりバーに警察は民事不介入の立場を取る。
だから呼んでも、来ないことは有り得る。
ただ、胸倉掴まれたり、殴られた時は別である。
これは、暴行事件だ。
ただ、辛抱強く言えば、警察だって来てくれる。
違法な店に来てしまいました、
話し合いをしても埒があきません、
身の危険を感じます、など。
警察だって馬鹿じゃないから、民事不介入だとしても、
そういう店に来てくれることは有り得る。
ただ、それでも来てくれないということも有り得る。
また泣き寝入りせずに、弁護士などに相談する、
被害届を出す、 消費生活相談窓口への相談も有益だ。
けれども、社会勉強、たんこぶの一つとして、
そう思う人もいるようだ。
「チッ、面倒くさい客ダロ、
難癖ばかりつけやがるダロ(?)」
そう言うと、
「じゃあ、六万円でいいダロ、これなら払えるダロ?
うちはぼったくりバーじゃないダロ、
また来て欲しいダロ、困ったお客さんダロ」
でも存外、六十万から割安感を見せる為に、
六万円にするという演出なのかも知れない。
折れてやる、という態度がうまければ、
客も支払うのかも知れない。ヤクザ的手法である。
彼女が叫ぶ。
「六千円しか払わないぞ、
後はとらのあなで使うって決めてるからな!(?)」
「困ったお客さんダロ、これだけ飲み食いして、
正規の料金表に従っているのに、そんなことを言うダロ、
みんな払うダロ、祭りくじの闇のように(?)」
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かもちゃん、それ駄目ワードだよ(?)
そう言いながら、外へ出ていったいずうさちゃんが、
サングラスかけて戻ってきた。
いずうさちゃんは、何しても可愛い(?)
「ガタガタぬかさず、出すもん出さんかい!」
いずうさちゃん、私の頭の上に、よいしょと座りながら凄む。
、、 、、、、
うん、何だこれ(?)