koichang’s blog

詩のノーベル賞を目指す、本を出さない、自由な詩人。

七つの詩

さくらさくらさくら

 

 

さくらの はなびらが

あるく


ひとしずく・・・

ねばっこい縞 になって

ぶどうのように

くちのなかで とけた


 × × ×


蛇の眼が あった

とろん とした

針のように いっしゅん

ーぷつん・・


 × × ×


きえいりそうな

こえで


ーはだか で・・

はずかしかったのよ

あなのなか に

はいりたい


  × × ×


いま うさぎ

あかいめを して

そらまで そらまで

とびたいのかしら?

 

 

  *

 

どんな比喩もいらない

 

スパゲティーはすぐに茹で上がり
 シロウオの踊り食いのように
 うっすらイエロオをおびて、いなくなって
   そしてまた「出てきて」
   ざっとザルの中で首を曲げては押しつぶされて
   口の中からそれらしい言葉ひとつも出て来ぬまま
  蜷局のようにかたまり
  みずから鎮まってゆく間にオリーブオイルが
  ある日、耳にした言葉のように・・。
   パセリ、玉葱、大蒜、


    まるで手首に手錠をまわされたみたいに、
   ほどけない、絆のように――
   冷蔵庫のドアを開けて

 
  あった、――チーズ買いに行こうかと思っていたの、
  エプロン姿で、一瞬ストリップのように、
 うしろ帯に手をかけ、「ピンクの文字。」
 ワイン飲む・・・? 白赤チャイロ
   ちがうの、言い訳。ほんとうはチャオって
   おどけたかった、[首をかしげる男、微笑む男]
  ぬけてしまえばいい、赤い舌
  もっとピンク、蒼、そして白く
    脱色してしまえばいい、空気、空気
    ただ、ふっくらと白米のように・・。


   あなたは話をしない、ただ黙ってる
  ひっきりなしの言葉は――?
  湯剥きしたトマトのように


 「終わりだね」
 ザクッ、親指がはいった
 爪が卒塔婆のように刺さった
 テーブルのスパゲティー[あなたは箸をつけない、]
 振り撒いたチーズが胡麻のように見えた
 眼の錯覚か、少し固まったチーズがカエルの卵を
   連想させた「オリーブ色のグロテスクな・・」
   臆病な脱兎は気付かなかった
   池の茂みに蛇がいたことを・・1,2,3
  笛が鳴った! 絡まった
  細長いしろい歯をむく青年に被さった
  次の瞬間・・。
 

 

  *

 

シネマ

 

  公衆電話 
 路地の鉢植えに植えられた花。
 山羊のような街路樹。
 ミラージュ。・・・公衆電話。
 あの巻き髪をいじりながら、
 夜道を歩く蝋人形を見ながら・・。
 コインをいれる、貯金箱みたいに、
 しずかに、おそるおそる動く指。


  道路
 下敷きになった男。轢かれた男。
 引き摺られてゆく音。
 踏切の音。レールが軋む音。
 聞き耳たてる深夜の狂気。
 

  Commercial 
     横切る。
    降りる。
 街の遊歩道。
  息を吸う。異性。視点。
 見晴らしのいい坂道。
   ヨット。遠近。ゆれる。
   石畳。
  轍。
 ー芝生。墓地。
 小麦の香り。
      砂煙。
   海がある。
    開けはなたれた窓。
     黙る。黙らない。
 樹木の影。
    影がのびる。
   朝。昼。夜。
   朝。珈琲を飲む。
  汐のかおり。
 とうめいな枠。
   自由で臆病なツバメ。
  フレーム。シャッター。
   カッター。カッター。
      顔をあげる。
   まぶしい日盛り。
  まぶしすぎる汗。
 檻


  岩間
 中心にまで蹲っている。
 腰紐が緩んでいる。
 熱風が吹いた。昆虫が繁殖、
 植物が繁茂、人類は繁盛。
 男はヌルヌルしている。
 ヌメヌメした回想に耽っている。


  教会
 不意に開かれた扉に深い睡りがある。
 ステンドグラス。マリア像。
 敬虔な牧師。
 のみきれないほどの白靄。
 乳ぶさ。
 恍惚。葛藤。併し又、恍惚。
 神。主。種・種・種


  女の部屋
 「誰が轢かれたの?」 

 

 

  *

 

肉体

 

岬に立つ

おれはいま亀甲型の窪み、瘤だらけの岩場に立つ
                  くさ
干からびた、びょうびょうとした艸が自らを辱める

人いきれも遠く、街の音も仰け反らせた

疎遠になってゆけば押し寄せてくる、個人! 
                       だる  もの
その濃紺のガラス叩き割ってくれ、この惰さ、懶うさがたまらぬ
            はっきり
そして誰だ! いま明瞭と俺へと足を向け、襲ってくるもの、殺意よ

鉄分の味が口内にする。耳鳴りがする。

全身に怖ぞ気が疳高く走る

そして俺は挑発するように、

赤い舌をぺろぺろ。・・・汗でむんむんして、

気でも狂ったように面喰わせる。違う! 

陽動ー。次の瞬間お前の首をへし折る

獰猛な一匹の獣。俺は服のボタンをはずし、

ズボンを脱ぎ、一挙に形勢を逆転する。

汝、癌・・。鳥肌が立つほどの毒をおびた声、

柳の内部で聞いた、あの声・・・!

爬虫の歯、くろぐろと覆いかぶさる
        つむぎ
ゆれる七月、紡錘形


  -とおい海へ航海に出掛けよう

  エアライン・・、誘われた


 ――飛行機雲・・その優美なカーヴ、

 壮烈な発射・・・! 頭蓋骨の爆破

          あるい
  ー神と人。・・・或は悪霊、亡霊・・・燐光、それで俺は

 ぶざまだ、じりじろと陽に灼かれ。汗の手を握り、瞼

 をかたく閉じ、声なく吼える!
  
  大阪湾のネオン、熱風のパントマイム、・・なにが美し

 いかと俺は抗った。工場群の突端。僅かばかりの隙間に

 ちらと見える、お小水! 点滅するゲロ・ライト! し

 ずかな、粘っこい海! 雑草! づづくろい闇・・


岬に立ち

俺はしずかに煙草に火を点け、酒をのむ・・

おう、この国の絶望よ! 労働よ・・・!

お前等が金儲け、金儲けをしていやがる内に、

俺の魂が遮蔽されちまう。

暖はある、気の遠くなるほど、俺は熱い――

嵐よ! 遠雷よ!

このうるし光りする命知らずのところから

エレベーターの鈍いモーター音でも立てて

俺を巻き上げろ
  てっぺん
塔の天辺より、超高層ビルディングより
       ぶる
高く! 足が震るほどに高く

空間が攣るほどに、そしてきびしくまかれたロープが止まり

おまえ! 俺の肉眼の涯にある凍てかえる街を見ろ

壊れやすい歯車を、この最下層の底流を・・・!


  -水平線から津波のような震動が勇みたち、
       ブルウ
  ぐんぐん憂鬱の中へと突っ込んでゆく


 一筋の白濁するもの・・、

 Virgin anus へ と、

  そのしろいひらめき、


  その飛翔はやぶれかぶれの抗議
 
  何に耐え、猛烈な金属破片を落とすのだ

  ああ泡の如くに! 何故まだ内部へ踏み込んで

  もう宙づり、いまや風のくぼみに押しやられた非力な者に

  ――おまえは何故まだ躍起になるのだ

 

  *

 

男四匹、女一匹

 

  ■ ツインルーム

 

ティー・ホテルの一室

シャワーの水なってみたい気がする俺たち

 ==存在感を誇示する肉付きのいい尻==

  目の前の電灯が青く光る

 

          『help me.,.,.,』

 

   下腹にぶつかる肉の音が聞こえるホテル

   焦らすように骨の浮く波間。
 
 血はどんどん溢れてくる

 でも拭き取るものがない。

 

    ----------------------

     どうして抱いているか?

    ----------------------

 

   ピエロ 知られたくない

     窓には灯がともり、レースのカーテン

   ピエロ 知られたくない 

     暗視用カメラ、――浮気現場

 

  もう、会社に遅刻したっていい

  無能な連中に振り回されなくて済む

 

   ああ、ダニエル、トム、ジュード

   ・・・その日はトムが婚約破棄されて、

     ぼくらは慰めのために情熱的うすらばかを演じ

     コールガールを呼んだんだった・・。

 

          『金曜日の夜.,.,.,』

 

  ・・・・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・

  僕にはわからないんだよ、

  何で捨てられたのか――

 

    ----------------------

     別れましょう、さよなら

    ----------------------

 

      経済力だってある、性的不能者でもない、

      愛の言葉だってささやく、

    家庭だってかえりみる、結婚式だってする、

    教えてくれ、僕の何処が悪い?

 

   ウェイクアップ しっかりするんだ

    やり切れない気持ちはわかるよ・・

   ウェイクアップ 女なんて一皮剥けば同んなじ

    母親にだって、お前の妹にだってついてる!

 

          『けれど、しいて言えば.,.,.,

           トムはプライドが高すぎる』


 
   じゃあ、お前教えろよ、

   どうして婚約解消された・・・!
 
 いいからもう、コールガールを抱けよ

 お前から先に可愛がられて来いよ

   ――ああ、シャロン僕の何処がいけなかったんだい

   トムが泣きだす・・・酒飲ませ過ぎたか、と一同――

  その時、ベッドルームで痺れを切らした金髪美女が
                  おもいで
  トムの手にもたれた写真・・・恋人をひったくり、

    アンタいまからわたしを抱こうっていう男が何を――

    と、言った時・・・呼吸が止まった――シャロン

 

    ----------------------

     コールガールの同僚

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 あの子、いま、フットボールのスター選手にお熱なの

 ええ、・・・ええ、――本当よ

   シャロン・ジョーンズ 27歳 チーズが大好物

   ・・・そういえば、婚約破棄して、愛人になるんだって

  あ、こんなこと言っていいのかわからないけど――言え!

  はい、・・・そんなみんなで結託しなくても――言え!
 
     それで、その花形選手、太くてゴツゴツして、木の根っこって

     そのまあ・・・平たく言えば、デカいってやつで

    まあ、女ってそうよ、恋よりSEXに弱い部分があるもの

    まあ、近頃は夜が忙しいって話で――

     
  ・・・・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・

  ああ! ああ! 嘘だと言ってくれ

  神さま!――

 

   その時、日本通のダニエルが、車に戻った

   そして盗聴器と暗視カメラを・・・!
 
 いいかよく聞けトム! これはチャンスだ

 慰謝料をふんだくるんだ――現場を記録するんだ
              ゆすり
   ――きょ、脅迫・・・強請をするのか、とトム

   違う・・・! 慰謝料だ、妻帯もちのスター選手

  そしてその股間に情けなくもひれ伏した糞女!
                  おもいで
  トム、俺はお前の味方だ、100万ドルをそいつに請求するんだ!

    名案だとジュード、じゃ、じゃあ俺も参加する――

    あらわたしもとコールガールのヘレンも・・。


  ■ スウィートルーム

 

やったわ、うまく聞き出したわよ、

今晩ここに泊まるって、シャロンからメール

 ==ぱっちりとした猫のような眼==

  トムはさっきからヘレンの顔ばっかり見てる

 

          『help me.,.,.,』

 

   全身が電気に打たれたみたいに痺れてた

   おい、トム・・・コールガールだぞ、シャロンと同じ
 
 あら職業に貴賎を持ち込むつもり?

 いや、――忠告だよ、テストでまた赤点とらないように

   ・・・おい、行くぞとダニエル。・・・部屋に盗聴器を仕掛ける

   ぴーぴーぴー、本日は晴天なり、晴天なり、・・・きこえますか

  感度良好、感度良好――では引き続き、屋上のジュード、ジュード・・
                  
  きこえてるよ、馬鹿野郎! biiii-nnnnnnn・・・耳が痛くなる

    オーライ、感度良好、・・・準備があったら、

    ロッククライミングで鍛えたその腕を遺憾なく発揮してくれたまえ    

    きこえてるよ、馬鹿野郎! biiii-nnnnnnn・・・

 

    ----------------------

     がちゃ、と歓談しながら男女の声

    ----------------------

 

 シャロンだ、とトムが

 腰だけが溶けてしまったみたいに・・。

   でもこうなってみて、――俺も少し責任を感じ始めていた

   悪ノリだったか、ということではなく、遡れば一年前

  ダンスパーティーに誘ったのは俺で、トムは趣味の釣り

  延々二時間もかけてドライブして、川へと出掛けていれば

  ・・・でも俺はトムが童貞なのを知っていて、つい、友情から
 
     ・・・ぽん、とトムが俺の肩に手を叩く――気にするなよ

     俺たちは町役場のメロディー・チャイムみたいな関係

    グリーンピースのないカレーは食べたくない

    《友情》を確認する俺とトム――

 

          『help me.,.,.,』

 

   本部ゥ緊急事態! ――ジュードからだ

   カーテンが閉まっていて写真が撮れない、

 カーテンを開けてくれ・・・!
 
 カーテン? ど、どうやって――

   ・・・トム、わたしのこと好き? と、ヘレン・ウィリアムスが

   もじもじしながら、――アメリカ人的引きこもり・・・

  本部ゥ何とかしてくれ! ――うるせえ、ジュード
                  
  その時、トムはすっとヘレンの手を握った・・・

    おい、ジュード、なんだかもう俺はどうでもいいぜ

    いま、テレビ画面では、――あるいは映画のスクリーンの中では

    見つめ合う二人がいるだけ・・

 

   ダーリン それじゃあ、今から乗り込むわ

    え? ・・・と、尻ごみするトム、青いお尻の手長猿

   ダーリン キスをして、・・・つん、とためらいながらのキス

    なんだかまるでそんなカルチャー・スクール

 

    ----------------------

     こんこん、とドアをノックする

    ----------------------

 

   ヘレン、それにトムまで、というシャロンの声

   一体どうしたんだよ、早くベッドへ来いよ
 
 と、ミスターフットボールの間抜けな声

 俺なら睨んだと思う――左眼に青痣をつくるほど・・

   ・・・カーテンくらい開けなさいよ、とヘレンは、カシャン!

   [次の瞬間、入電]本日は晴天なり、晴天なり、・・・きこえますか

  さよならだねシャロン、・・・暗視カメラはほとんどシャッター音が聞こえない

  でも確かに今この瞬間も切られている――切られているはずなのだ・・

    雑誌にでも売り込めば、100万ドル以上の値打ちのある光景が

    もう、よそう、――ダニエルが、ジュードが、そして、俺が・・

    


          『help me.,.,.,』

 

   まるで勃 起していたペ ニスが萎えてくるような

   嫌な夜――嫌な夜だったね、とトム
 
 ・・・来週ヘレンと結婚するよ、とあれから約一年

 今度はもうあんなことにならないように頼むぜ相棒!

 

 

  *

 

メロディー

 

 

 ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ

 ナ ゥ ッ ト ・ タ イ



  ざあ 砂嵐が ザァァァ・・

  信じられ え る力を


  
      浚う

      篩がある

      摩訶不思議な

      節がでてくる

     箱が――



   思い出たち、思い出たち

   ・・・諸君



 疲れたら疲れた、って

 言って ! ・・。



    霞む未来、

    1秒ごとに滑り落ちてゆく・・



   まぶしすぎる朝陽

   時はあッという間にただ過ぎてゆき

   不器用な人へ ONE CHANCE



 熱されていた一粒の砂が

 砂金になったか ・・・たかが居眠りしたぐらい

  何も語らず、真実は 苦い涙でしょう



      いいンだよ

      どうせツ! へつらう相手もあるものか

      たかが人生という一片のピース――



    「嘯くのにも飽きた・・・」
                 なんじ
    遅すぎた 遲すぎ た 汝!なにがし

    ある晴れた空 小高い丘

    いっ、そ いっそ・・・

    罅割れた大地に



  《朝焼けよ、どうにもならぬ俺のことなど

   燃やしつくしちまってくれ。

   思うようにはままならぬ俺のことなど、

   燃やしつくしちまってくれ》



  頬撫でる風 ここで出遇った景色を 

   忘れられそうさ
 
  思い出も夢も震える胸も 

   ――で も、結局、



      朝焼けは

      開かずに

      閉じてしまう蕾――

    たまらなく会いたい

    た だ・・・

      胸を熱くする 

         亜種の

          種よ・・。

 

  *

 

たまらなくやわらかい日光が

 

 

   あなたの  心に  くちづけを

     くちづけを―――


  ・・・夜明け前の深い翳り。-湖底のような
  ウルトラマリンからうすい光が数条洩れてくる
   澄む光・・、は・・・反転する[淡い野のはなやぎ、
    ――あるいは、いちめんの菜の花・・]
   熱帯魚のように染めながら美しく染まってゆく
  耳は・・迂曲や勾配を意識しては落ち込んでゆく
 魚群のように騒ぐ、ああまた――
 小気味のいいエンジン音を響かせ。・・

 (( もっと、もっと地味な
     単調な音楽をくりかえす頃 ))

        あなたの瞳  なつかしく思う
        風に吹かれて  間もない目覚めが

ふくよかに肥っていた声
いとしさで? ――いとしさで毛糸の玉のように
想いをしずくにかえ、吐息を弾き手のいない音符にまで
 その姿形をかえるころ ・・・うるおい。 ときめき
  ・・・僕の爪を噛ませた。-『君の心に 触る。・・』
  焦慮、砂質と化したざらつき。 は・・
 皮膚は # 世界の終わりを鳴らす鐘 #
 ――感じられない、歌えない

 (( もっと、もっと地味な
     単調な音楽をくりかえす頃 ))

        たった一人に  かけられた魔法
        深い森の葉ずれ音 です・・


    さまよう の。 さまよ う の

     ・・・さま よ う の

   あなたの  心も  行方も

     ようとして知れず―――


  ・・・どこかへ――どこかへ と 
  飛んでいってしまう。・・
  流砂みたいに、砂の紋みたいに、――あし跡みたいに
   ざわめく樹々のように[妄想 迷い、・・我が儘
    ――頭痛が続いてる・・壁が揺れている]
   名前も知らない男が、恋人に逃げられたと言う
  知らない・・もう、知らない、模様のように
 呼ぶ、微睡み。さらう、心の波――
 悲しい言葉もようのようにもう幾何学。・・


    あなたの  心は  木漏れ日

     木洩れ日―――
 

 (( ふしぎと、眠たかった
     もう、目覚めたくなかった ))

        気だるくて  少し酸っぱくて
        人恋しい 種子の内部・・

のんびりした午下がり
もどかしく。 ――それでも、はっきりと、君がいた
時間が止まる、耳を澄ませば、輪郭をともなう
 唇の形、瞼毛 ・・・そして髪。蔽いかぶさる影は・・


    こぼれない  涙と  少し似て

     キレイだ―――