koichang’s blog

詩のノーベル賞を目指す、本を出さない、自由な詩人。

センパイとコウハイ 27



「センパイ、ところでなんですけど―――」

昼休みにやはり弁当を食べに来た、
八十年代の悪役みたいに変な笑い方しながら(?)
超超イージーモード、
コウハイは改まった様子でこう仰った。
耳を塞ぎたかった、しゃべれどもしゃべれども
熱くディスカッションを繰り広げたところで、出てくるのは、
結局あれなのよ、それなのよ(?)
さすが世紀末国家の申し子、アヘ顔ダブルピース先生(?)
耳なし芳一したい(?)

「センパイはやっぱり四十八手を試されたと思うのですが、
裏四十八手についてどう思われているのかと―――」
「・・・・・・」

あのごめん、それ食事中にすること(?)
すました顔で、言いたい(?)
国やメディアに資産運用だ投資だといわれている、圧迫かけてくる、
株は? FXは? AI投資もあるんですよって、
カネの話ばっかりする亡者どもだけど、まだ救いはある、
聞きようによっては中身が生まれる、世知辛さは生まれるけど(?)
あと、ごめん、四十八手すらろくすっぽ知らない俺に、
百歩譲って相撲のこと言っているならまだ勉強しようかなと思う、
相撲は外国人、モンゴル、ブルガリア、後ちょっとわからないけど(?)
国技遠くって感じが続いている、海底三千里(?)
そこいくと―――アタリ。
アイスの棒でひきあてた、おばあちゃんに持っていったら無効っていわれたけど、
俺はそれ、アタリ(?)
裏四十八手から見る相撲、これ間違いなくブレイク(?)
一切意味はわからんけど、煽情性ありありのうりうり(?)
アリクイだって寄ってくるアリ、キャッチコピーで踊る社会、
馬鹿広告扇動社会、電通不祥事おめでとうございます(?)
てかさー、てかさー、裏ってそもそも何? 
それ食べられるの?
あと、何故俺に聞いた(?)

「いえ、もちろん俺の辞書には最低でも四百八十はあるがな、
邪神復活は近いぞ、いえ―――ありがとうございます(?)
クレイジー、アンド、エクスタシー!!!(?)
どういう角度で来るかと思っていました、
名言ですね、ありがとうございます(?)」

つくるなあああああ!!!!!(?)
せめて一言いってからにしろ、
いや、一言いってからでも駄目だけど(?)

・・・・・・それならもう、
セーラー戦士に生まれ変わるわ、その方がマシ(?)
あるいは不良になって葉っぱくわえて土手で寝転んでる、
そして公園にバイク隠してる、橋の下で段ボールの猫に傘をやる(?)

「やっぱり何というのか、官能の文化をなめてやがりますよね、
ウンウン―――いっとくが、九百六十はある、せこいな、
一〇〇〇はある、大体そういうことですね、ウンウン・・・」

・・・・・・あっ・・・・・・あれれ〜? おかしいぞ〜?
とか名探偵コナンがしゃしゃり出てきてすごいことになる五秒前(?)
灰原アイの気持ちになって考えてみろよ(?)
スピッツだってもうこれのこれもんで考えてみろよ(?)
いや、まず、官能の文化がどういうものかを述べよ(?)

いまの気分は何かって、あのさ、あのさ
―――ドラゴンボール精神と時の部屋(?)

「スキージャンプをしながら行為に至る、
実はそういうアーチェリー競技(?)
エベレスト登山をしながら行為に至る、
実はそういう千の夜を越えて(?)
東京タワーをのぼりながら行為に至る(?)
―――そういうことですよね、含蓄があるなあ、やっぱり違うなあ」

クラスメートよ、メモを取らなくていい(?)
国家の陰謀みたいに、外国人に嫁ぐつもりか(?)
いま、超中身のないことだったぞ、
あと、スキージャンプとアーチェリー競技のくだりがよくわからん(?)
フェリーに向かって五色の紙テープ投げるようなものだぞ、
あと、俺言ってないって書いてくれよ(?)
そこ一番重要だから、ちゃんとアンダーライン入れてくれよ(?)
いや、信用できないな、信用できないっていうか信用できないから、
だぁ〜かぁ〜らぁ〜、その一回で俺の心の傷が一生消えないじゃんこんなん。
脳に直接炎上商法されてるようなもんじゃないの、そうざんす(?)
あとで校閲するから提出してくれよ(?)
かきかたえんぴつで真っ黒にするか、赤ペンで修正するか、
カッターナイフで文字切り抜くかも知れないけど、
ひとつよろしく頼むな!

「しかし一番重要なことは、やはりそれは運動ではないか、
という視点ですね、さすがですね、なるほどです」

あのさ、俺が言っているように聞こえるけど、
俺ずっとご飯を食べてるからな、モグモグしてるモグラの親戚だからな、
百歩ゆずっても、アシカぐらいにしかならないからな(?)
もし喋ってるなら、
ご飯だからな、おかずだからな(?)

俺は税務のスペシャリストじゃないけど、
コカインは違うと思うんだよな(?)
そこはやっぱり脱税だと思うんだよ、
だから、おかずが喋ってるならお前はサイコメトラーなんだよ、
おめでとう超能力者、明日から研究所へいってらっしゃい!
いってきまーすって頭の中でお前の声想像してしまったわ(?)

「筋トレメニューを組み込む、それは夜の大運動会なんだよ、
毎日のエクササイズ、それがセンパイの真の目的ですね、
御見それしました」

あのさ、目的ないのに、真の目的っておかしくないか?
社会的不適合者だった、Xとウマ娘のどちらがおかしいか賭けていた、
それはわかるよ、俺には一ミリもわからないけど(?)
おかしいよね、俺をお前がおかしい人にしたいのはわかる、
わかるけれど、真の目的はそれはおかしいよ(?)
シュミとシャブは違う、ノーパソとノーパンは全然違う、
似て非なるものの世界(?)
あと、あたかも俺が布教しているようにおっしゃられるわけですが、
俺は一度もそのような宗教を始めた覚えはない。
むしろ、俺がその宗教にいま勧誘されているのだ(?)
それだったら空飛ぶスパゲッティ・モンスター教に電撃入信するよ(?)

「ホモでもレズでもいいじゃないか、竿でも玉でもいいじゃないか、
二本生えてもいいじゃないか、
三本あったら枯れ木の賑わいじゃないか、そういうことですね」

―――悟った・・・・・・もうね、悟った、
何も言わない、何か言うのを待っているこいつに反応してはいけない。
それがわかった俺は無敵、マスターピース、超人伝説(?)
パブロンゴールドA(?)

「・・・・・・それにしても、冬になると寒くていけませんね、
ウンウン・・・・・・」

あのさ、そういう会話でいいのよ(?)
そういう会話がむしろ大好物っていうか、三食のおかずにできる(?)
流れがおかしいのよ、前提がおかしいのよ、そもそもまず、
日常会話っていうのは冬寒いですねでいいのよ、
寒いな、これでいいのよ(?)
お前がしゃべりにしゃべりにしゃべりまくった挙句にうみだされた、
この世界はどうよ、世界観だけでいうなら、
北斗の拳』と完全に一致してんだぜ(?)
ヒャッホーって敵がバギーカーに乗って走って来る光景を、
なんでか考えてみたよ、馬鹿野郎(?)
熾烈なデッドヒートを繰り広げている。
待てど暮らせど病院二時間待ち(?)
意識飛び過ぎてアヴァンギャルド脳波(?)
スーパーハイエナチャンスと見せかけてのステルス行動、
絶対すでにウォーミングアップ始めてる、ただのつまみ、箸おき、
いわゆるひとつの箸休め(?)

「おっと、鳥肌が立ってきた立ってきた、
そろそろセンパイの名言の時間ですね、いつ来るかいつ来るか、
フウウウウウぅぅぅううウウウ!
待ち焦がれちゃいますね、来ますか、出ますか、
叩き出してしまいますか?」


   、、、、、、、、、
―――でも確かに冬は寒い(?)